JINMO情報だ(2004年01月号)

皆様、お元気でいらっしゃいますか?

 12月号がビューンと飛んでしまいました。元気ですが、とにかくバタバタ忙し過ぎ。すまんこってす。JINMOも忙しそうです。ここ3ヶ月間で、お布団で寝たのは10日も無いそうです。ずぅぅぅぅっと制作!!! OH! モーレツ!!!

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 マニアの皆さんなら御存知のように、JINMOはツアーに出ない日は、ずっと籠ってレコーディング。それが、最近は音楽だけじゃなくて、彼が“Drawing”と呼ぶコンピュータによるお絵描きにも情熱を注いでいるものだから、“籠り時間”は激増!! まずは以下のURLをチェック!
http://www.fotolog.net/jinmo/
 そう、JINMOがDrawing作品を発表しているFotologページです。Fotologとは1年3ヶ月ほど前に始まった画像公開のポータル・サイトです。今日現在で参加者26万人以上!総作品数は約430万枚! 毎日5-6万枚がアップされるモーレツさ! さて次のURLをクリックしてみてください。
http://www.fotolog.net/
 ほい、これがFotologの表紙です。ページの右側に画像が6枚、縦に並んでいますね。これが“Most Viewed Photos From The Last 24 Hours”というもので、現在までの24時間中に最もよく見られた画像のベスト6リストなのです。われらがJINMOは12月5日発表の作品以来、今日まで全作品がここにリスト・インされています。OH! モーレツ!!!
 じゃ、さっきのJINMOのページに戻ってくださいな。今日(1/22)の時点では、古い傷だらけのお盆のような画像がありますね。写真じゃないんですよ。描いてるんですよ!画像の下に説明文があります。日本語訳してみますね。
『楓材による古代木製円盤。美麗なる数学的彫刻と彩色仕様。此れは南極大陸の250万年前の地層より発掘された。極低温と高圧によりほぼ完全に保存されていた。半化石化している。これは“オーパーツ”のひとつに違いない。(以下略)』
てな感じで、ぶっ飛んだ説明がついています。
 説明文の下に“Guestbook”というのがありますね。英語、ポルトガル語、日本語などによる書き込みがズラーッとあります。この作品に対するFotolog参加者の感想です。100件まで書き込めるのですが、毎回、フルに埋まってしまいます。(Fotolog参加者だけが書き込めるようになっています。)
 ページの右側に並ぶ5枚の画像は、JINMOのFotolog友達の作品。友達が新作をアップする度にここに掲示され、JINMOはその画像をクリックして、友達の作品を見ている訳です。
 左側には6枚ありますね。1番上が、今御覧になっている全体図、つづいて拡大された“Details”と呼ばれるのが2枚、更に拡大された“Super Details”が3枚の、合計6枚です。画像をクリックすると、それぞれが真ん中に大きく表示されますよ。JINMOは11月16日発表の作品以来、1度にこの6枚セットのスタイルでアップロードしています。
 さてその6枚の上に“recent photos”と書かれたリンク文字があります。クリックしてみてください。ジャジャーン! 日付のついた画像が20枚出てきました。これはいわば目次。それぞれの画像をクリックすると拡大画像と、それについてのGuestgookが閲覧できます。“Page 1 of 10”と書いてありますね。これはこんな目次が10ページあるという事です。右側の“Next 20”をクリックしていけばページをめくっていけます。すごい作品点数ですが、これらは制作されたDrawingの内のごく1部なのです。モーレツな作品数!
 それぞれの作品の緻密さもモーレツですね。私はこれらのオリジナルを見た事がありますが、もう鼻血ぶぅーっです。オリジナルのデータは、ネットで皆さんが御覧になっているものの、のわんと1,000倍以上の大きさがあるのです!!! スーパー・ファイン紙に原寸プリントされたものを、この眼で見てみたいぃぃぃ、って感じでしょ! 将来、ひょっとしたら個展があるかもですよん!
 ではでは、“JINMO情報だ”新春特別企画、特別読み切り“Story of Drawing”です!!!

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“Story of Drawing”

 あまり知られてはいないが、JINMOは絵画表現もおこなう。書道家を母に持ち、幼児期には母の知人の書道家宅に通い、書道の基礎を学び、入賞経験も得る。しかし提示された課題しか書いてはならない不自由さに我慢できず、すぐに止めてしまう。成人してからは抽象的な前衛書道である“墨象(ぼくしょう)”に目覚め、非常に多くの作品を制作するが、それらはまったく個人的な楽しみとしてのみ制作され発表されてはいない。それでもマニアには知る者もあり、それらの依頼により、ライブハウス、レストランの看板、イベントのタイトルの題字などを稀に制作している。
 ホウキを用いて5メートル四方のキャンバスに書き付ける大作もあるが、もっとも特徴的なのはJINMOが“極微細墨象”と呼ぶものである。これは毛筆先端の数本の毛のみを使って描かれる墨象で、まさに顕微鏡的規模の一筆を積み重ねていく。彼は約1年掛かりで、ようやく新聞紙大の作品を完成させる。その細部はまったく肉眼での確認も困難な程に緻密である。そして、この“極微細墨象”が、後の“Drawings”に結びつく。
 JINMOがコンピュータを使い始めたのは1980年代の末である。音楽用としての使用が主であり、絵画表現の道具としては、たまに気まぐれな個人的楽しみとして、抽象的なCGを制作するだけだった。2003年9月、写真ポータル・サイト“Fotolog”との出会いが大きな転機となる。
 9月22日、“JINMO's fotolog”というページに初めてCGを発表。JINMO自身は単純に自らが美しいと思ったCGを発表したつもりだったが、まったく予想外の反応が得られた。それは「被写体は何だ?」という質問だった。ゲストブックに感想を書き込む多くの人が、そのCGを実体あるものを撮影・加工したものと誤解したのだ。
 その後、27日まで6作品発表し続けても、その反応に変わりがなかった。そのためJINMOのいたずら心が働き、「よし、それではより“現実的実体感”を持ちながら、この世にあり得ない程美しい“非現実的美”を創出してやろう」と思い立つ。“極微細墨象”での緻密表現をコンピュータでおこなうことにした。JINMOの作風は一挙に現実感を増す。そうして発表されたのが、9月28日の作品。今までに無い大きな反響に、ゲストブックはすぐに満杯になり、翌29日からは100件までコメント記入可能な“ゴールド・カメラ・パトロン”に移行する。そして30日、わずか9作品めにして、“Most Viewed Photos From The Last 24 Hours”に、30万人中の4位でランキングされる。10月1日には2位。その後もランキングには頻繁に顔を出すようになる。
 しかし、作品が一層その現実的実体感と非現実的美を増し、ファンも増える中、写真ではないという事実を隠しておく事に、一種の罪悪感をJINMOは感じ始めた。そして、ついに10月6日、“thank you very much for visiting. my friends, about all my works in the archives, everything is drawn by myself in computer. not photograph. i do not use camera, scanner, and any other readymade data. all my works are created by my imagination. thank you.”というキャプションを加え、事実を告げた。「それでも信じない」という声が書き込まれる程にセンセーショナルな出来事だった。そしてこの日、ページの名前を“JINMO's Drawings”と改め、自らの作品を“Drawings”と呼称し始めた。これは“CG(コンピュータ・グラフィック)”という名称が職能的・専門的な響きを持ち、その技術的側面を主として注目させるような、権威主義的・排他的名称であることを、彼が非常に嫌うためである。 DrawingはJINMOにとって、自らが「見たい、触りたい」と思うようなものを現出させる行為であり、子供のラクガキのように自らの表現衝動に忠実な、原初的表現である。また、彼が敬愛する“Jean-Michel Basquiat”が、自身の作品を“Drawing”と呼んだ史実にも無縁ではない。
 以後、JINMOは生活時間のほとんどを、Drawing制作に充てている。その作品の現実的実体感と非現実的美は今なお作品ごとに増し、ファンの中には個展開催を望む書き込みも少なくはない。12月5日発表の“the never opened door named "Break On Through To The Other Side", dedicated to James Douglas Morrison (1943-1971)”以降は全ての作品が“Most Viewed Photos From The Last 24 Hours”にランキングされ続けている。そしてついに12月21日の作品“the relief wall named "crystal-IKEBANA”は、発表後わずか4時間という異例のスピードでランク・イン(6位)し、19時間で1位となった。続く12月24日のクリスマス記念作品“the happy Christmas machine”は13時間、更に次作、27日発表の“the cage for Phoenix”は、なんと11時間という短時間で1位になっている。
 以上がJINMOのDrawingのすべてである。個展の開催経験も無く、受賞歴も無く、評論家による記事も無い。しかし、JINMOにとってはFotologが唯一の個展会場であり、“Most Viewed Photos From The Last 24 Hours”での登場が唯一の栄誉であり、全作品に多数寄せられるゲストブックへの賛辞が唯一の評価記事である。
(以上)

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 内緒の話! FotologのJINMOのページの右側、さっきお話したお友達画像の下のところ! よーく見てみて! ちいさな“?”マークがありますね。これをクリックすると、もうひとつのJINMOページが!!!!!!

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 1月24日の横浜Lazybonesは都合により中止になりました。

DNA音楽研究所:岸本はり