「44.1kHz 16bit でのダウンロード・リリースを始める」JINMO
2013年3月23日

『 ネットを使えば、特に何かの媒体に広告を出さなくても、世界中に門を開く事ができる。小さなアパートの一室から世界規模で情報を発信して、振込で入金してもらう、というシステムが今なら可能ですよね。 例えば作品があまり一般的でない性格のものであっても良いし、また世界規模で売る事を考えれば、個々の国では僅かな枚数しか売れないかも知れないけれど、全部を合計したらまあまあの大きさになります。そうした中で作品を発表して、その売り上げを次の作品の制作費に充てる、そんな風にして、わがままな音楽家が本当に個人的な音楽を演りつつも、音楽だけで生計を立てていくということが、通信ネットワークの発達の御陰で可能になったんですよ。だからこれからは、インターネットなどを通じて、ひとりひとりの表現者が個々にレーベルを持つようになってくると思うんですよね。』

まだWindows95すら発売されていなかった今から18年前、“月刊ギターマガジン誌1995年5月号”に掲載された私のインタビュー記事からの引用だ。
1994年頃、RADIUSの登場により地方でのアクセスポイントの開設が急速になっていった頃、私は前述の予感に興奮し、周囲の者に、そう、ギターマガジン誌のインタビュアーにまで語ったが、その興奮を共有してくれる者はほとんど絶無であった。
無理も無い。
NTTによる常時接続(今日の1,000倍くらいの遅さ)が月額38,000円という価格でスタートしたのでさえ、1997年の事なのだ。
この予感は、愛好家が音楽を入手するのに“小売店”を必要としない、つまり“卸屋”を必要としない、“運送屋”を必要としない、そして“レコード会社”を必要としないで、作家が直接に愛好家と連結する状態を、意味する。
そう、音楽が“商品”としての枠組みから解放されて、音楽産業確立以前の、音楽が純粋に“音楽”として価値を放っていた時代への復権を意味するのだ。

そして2006年3月、『表現者と愛好家の直結』を実現する回路として、独自レーベル“Avant-attaque”を立ち上げ、介在者皆無のダウンロード・リリースを始動した。
しかし当時の一般的な通信速度と、再生装置のスペックを考慮すると、CD品質である“44.1kHz 16bit”でのリリースは非現実的であり、やむを得ず”MP3 160kbps”という圧縮フォーマットでのリリースとなった。
その後、2007年3月には”AAC 192kbps”、2008年4月には“AAC 256kbps”、2009年5月には“AAC 320kbps”と、常に一般的な通信速度と、再生装置のスペックを考慮しながら、逐次、高音質化をめざしたアップデートを継続してきた。
その度重なるアップデートの中、徐々に実現されていく高音質化に、確かに私は喜びは感じるものの、その一方で、高音質とはいえオリジナルよりは明らかに劣化する圧縮フォーマットであるAACへ、リリース直前で不本意ながら変換する作業中、自らの純情に対して忸怩たる思いを抱き続けてきたのも真実だった。

さて、契機は二つあった。
まず、2012年9月にリリースされたApple社の”OS X Lion 統合アップデート 10.7.5”のサイズが、1.91GBであった事。
約2GBという大きなファイルが一般的であるとは到底考えはしないが、Apple社がおこなうという事実から「2GBとはいえ、もはや非常識な大きさではない」という時代が到来したのだという認識が、私を大きく勇気づけた。
二つめに、2011年10月、たいへん良質な可逆圧縮方式である“Apple ロスレス”の、それまで非公開であったソースコードが公開されたという事。
Apple ロスレス”が、今後、かつてのMP3、AAC同様、Apple製品以外の機器やソフトウェアにおいても長く使われる規格となるだろう事が、この1年の業界の動向から強く実感できた。

そして…、
本日2013年3月23日以降、”Avant-attaque”からダウンロード・リリースされるアルバムは、“Apple ロスレス”フォーマットとなる。

これにあたり綿密な波形比較をおこなったが、 “Apple ロスレス”の波形は、まったくCDのそれと同一だった。
これはCDとまったく同様の音質であることを意味する。
また、サイズは60%から50%程度の圧縮を実現している。
加えて、曲名、アルバム名、ジャケットなどのデータを添付するID3タグにも対応している。

まず、 初めての“Apple ロスレス”フォーマット・アルバムとして、“Extremus”をリリースする。
これは超音波帯域も含む可聴域全域をフルに満たすパートでオーケストレートされた作品で、高音質を謳う “Apple ロスレス”での初リリース作品として相応しいものだと自負している。
加えて、アルバム “Extremus”は、全1曲で、途切れの無い「3時間19分18秒間」という音響体験になる。
この長さは約70分が収録限界であったCDでは、リリース不可能な作品だ。
ダウンロード・サイズは1.73GBとなる。
これはApple社の”OS X Lion 統合アップデート 10.7.5”のサイズ、1.91GBより10%小さい。

Avant-attaqueから既にリリースした125作品についても、今後順次、 “Apple ロスレス 44.1kHz 16bit”へとアップデートしていく。
既に旧バージョンを購入されている愛好家の皆様には、心からの感謝を込めて、無料アップデートの対応をさせていただく。

また価格については、全作品の統一価格という音楽業界の非合理な慣例は葬り、従量制とする。
具体的には「1秒あたり、0.008ドル」という計算でおこなう。
つまり50分(3,000秒)のアルバムなら、24ドル、25分のアルバムなら、12ドルとなる。
また72分30秒(3,750秒)以上の長さの作品は、如何に長くなろうともこれを総て30ドルを価格上限に定める。
これにより、最も長い作品である新作”Extremus”は、30ドルとなる。

既発作品に関しては、 “Apple ロスレス”へのアップデート時に同時に、価格改変していく。
ウェブ上でのサンプル音源についても、作品のアップデートと同時に“Apple ロスレス”によるサンプルへと入れ替えていく。

愛好家にとっては、より幸せな時代を享受していただけることだろう。
私もそうなのだ。
2006年3月のAvant-attaque始動以来、私が感じ続けていた「自らの純情に対しての忸怩たる思い」に、晴れ晴れと笑顔で、今、「あばよ!」と告げる事ができるのだから。

今までの厚いご支援に深く感謝し、今後の更なる歓喜の共犯をお約束しよう。

では、44.1kHz 16bitの“前撃”、Avant-attaqueをお楽しみください。

JINMO
2013年3月23日



ご購入について


ご購入の前に、必ず各作品の紹介ページをご覧ください。
作品に関するデータ、サンプル音源があります。

各アルバム紹介中ののボタンをクリックすると、購入ページに進みます。

ご購入は米ドルになり(オンラインの申込は全て日本語でおこないます)、ご購入日の為替レートが適用され、お客様の通常のクレジット決済に回されます。ここでは米国の最も実績のあるオンライン・クレジット会社の1つである Kagi のシステムを使用していますので、ご安心してご購入ください。安全のため皆様の個人情報やクレジット情報をやり取りする個所で SSL(Secure Socket Layer)という暗号化をおこなっています。(SSLはインターネット上で最も普及しているセキュリティ・プロトコルです。ウェブページでやりとりされる情報は、SSLにより暗号化されるため、インターネットの途中で第三者の目に触れることがあったとしても、内容を理解することは不可能です。)

Kagi 決済サービスでは、Visaカード、Masterカード、American Expressカード、Diner's Clubカード、Carte-Blancheカード、JCBカード等のカードがご利用いただけます。
さらに、PayPalアカウントをお持ちの方は、改めて住所やカード情報を記入する事無しに、簡単にご購入いただけます。



ダウンロードと解凍について


Kagi 決済サービスで作品を購入して頂くと、手続き完了後Kagi 社から英文の確認メールが自動的に送信されます。そのメールの中に作品をダウンロードするURLと、Unlock Code(解凍する為のパスワード)が記載されています。

まず、そのURLから作品の入ったファイルをダウンロードしてください。
ダウンロードされたファイルはzip形式で圧縮されています。解凍作業をおこなう際に、Unlock Codeを入力する画面になります。メールからコピーしたUnlock Codeをペーストしてください。解凍完了後、曲データ(AAC形式)の入ったフォルダと、曲名、解説文などの記載された小冊子(pdf書類)が入った、2つのフォルダが現れます。
Unlock Codeをコピーする際に、前後のスペースを入れないように気を付けてください。スペースを含んだまま、入力されても解凍できません。

解凍後のAACデータは、お手持ちの再生ソフトでお楽しみください。
(再生ソフトは同梱されておりません。)

MacOS X 10.4以降の方へ

MacOS X 10.4以降の方は、StuffIt Expander(無料)が必要になりますので、ダウンロードしてください(MacOS X自体による解凍では“エラー78”が表示され、Unlock Codeを入力できません)。ファイルを解凍する前に、Finderのメニューバーにある“ファイル”から“情報を見る”を開き、“StuffIt Expander(無料)で開く”に変更してください。キーボードのコントロール・キーを押さえながらファイルをクリックする、あるいは“コマンド・キー+i”のショートカットでも、ファイル情報を見ることができます。
現在では、Apple社のApp Store for Macでダウンロード出来る様になりました。



バージョン・アップについて


Avant-attaqueで販売されるものは、バージョン・アップする事があります。
例えば「3曲目のリバーブ処理と7曲目のイコライジングが変更されました」というような改訂です。
作品タイトルの後に(ver.X.X)というように記載されていますので、ご確認ください。
バージョン・アップした際には、サイト中でお知らせいたします。

旧バージョンのご購入者は、無料で最新版を入手可能です。その際に、ご購入時にKagi 社から送信されたメールに記載されているダウンロードURLと、Unlock Codeが必要になりますので、無くさないようにしてください。
もし、わからなくなってしまった場合はメールでお問い合わせください。

ご購入、バージョン・アップ等、ご不明な点は、info@jinmo.comまで、お気軽にお問い合わせください。




アルバムのフォーマットについて


Avant-attaque(アヴァン・アタック)では、皆様にJINMOの作品をより高音質でお楽しみいただくため、2013年3月より、Apple ロスレス (44.1kHz 16bit)というフォーマットでリリースいたします。
※旧作品に関しましては、順次AACからApple ロスレスにバージョンアップ(無料)していきます。

Apple ロスレスはiTunes(無料)、あるいはQuickTime(無料)などでお楽しみ頂けます。

まだお持ちでない方は、以下のURLで入手可能です。
http://www.apple.com/jp/itunes/download/
http://www.apple.com/jp/quicktime/download/

Apple ロスレスにつきまして、以下のURLによる説明をご覧ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Apple_Lossless

今後とも増々爆発的に創作するJINMOを、よろしくご支援くださいますようお願いいたします。

Avant-attaque(アヴァン・アタック):HARI

http://www.jinmo.com
info@jinmo.com