今春から創り続けられていた98分に及ぶ大作クリスマス・アルバム、待望のリリースです。

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『"幸福"とは、相対的に裕福であったり、相対的に優れていたりする事等の確認から生じる社会的な満足感ではなく、絶対的な個として、現実に精神的な苦痛から解放され、現実に肉体的な苦痛から解放され、個の内部で確かに実感する、感謝の念に近似した"現実感"だと思う。今年4月14日に体験した“死と新生”に於いて、私はその現実感をけざやかに実感した、まったく感謝の内に…。本作はその返礼の捧げもの。』
（JINMO）

2007年”Mass”、2008年”Melchior”、”Balthazar”、”Casper”、2009年”amor et mors”、2010年”I’m praying”、2011年”Incarnatio”とリリースされてきたJINMOのクリスマス・アルバム。
今年は、もはやギター起源であることなど意識外へ放出するかのような、幻想的かつ未来的なギター・オーケストレーションと、コンピュータ音源との融合作品になっています。
もちろん、毎年聴かれる教会の鐘の音も入っています。

タイトルの”Virgin”とは、”聖母マリア”の意味。
煉獄における浄化・救済者として信じられる存在なので、その死（煉獄）から立ち戻ったJINMOが、深く感謝と畏敬の念をこれらの音に込めるのも当然と思われます。

ジャケット画は、19世紀フランスのアカデミズム絵画を代表するウィリアム・アドルフ・ブグロー（1825-1905）の作品、
“The Virgin With Angels（1900）”です。
聖母マリアと幼子イエス、取り囲む天使達が美しく描かれています。

たいへんデリケートで複雑なパンニングと、ロウワーケース・サウンド（微細音量作品）的とも言える緩やかで長いフェード・イン、フェード・アウトを特徴とするアルバムです。
また可聴域すべてを満たし、それ以上の超音波帯域も含んだオーケストレーションが成されていますので、良質のヘッドホンでの御鑑賞をお薦めします。

現代音楽、先端的テクノ、実験音楽をお好きな方々にはもちろん、ギター愛好家の方々にもお薦めのアルバムです。

（Avant-attaque：HARI）

追記：
本作は、『1秒あたり0.008ドル』というアルバム定価計算においては、47.10ドルになるアルバムですが、クリスマス特別企画により36.3%オフの、30.00ドルでのリリースとなります。
もちろんCDと同等の、Apple ロスレス 44.1kHz 16bitの高音質です。