Keiren (ver.1.0)

01. Keiren 01 (04:36)
02. Keiren 02 (04:40)
03. Keiren 03 (04:34)
04. Keiren 04 (04:36)
05. Keiren 05 (04:40)





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第149作めのソロアルバム、その名も、“Keiren(痙攣)”。
マニアの皆様、また新たに猛烈に激しく、美しい無伴奏ギター独奏アルバムの誕生です。

ジャケット写真、デザインもJINMO自身によっておこなわれました。
このジャケットに見られる視界いっぱいにちりばめられた美しい水晶のようなオリジナル・ピック…、
本作はそのイメージのままの音世界です。
美しく爆発的に拡散飛翔する水晶の欠片のような極微細音群。
発振(痙攣)する水晶に同期する鼓膜、そして脳。
やがて知覚される宇宙の美の痙攣。

本作はJinmoidをアンプで鳴らし、マイク録音したものに、たいへん特殊なステレオ音場(空間)処理を施しております。
必ずヘッドホン、或は左右のスピーカーが充分な距離を於いて配置された状態で、御聴きください。
(逆にわざとiPhone、iPadなどに内蔵されたモノラル・スピーカーで再生されますと、
全く異なる印象の楽曲として楽しむ事もできます。)
脳を細かな水晶の欠片で全方位から摩擦されているような感じとでもいいましょうか、たくさん音数があるのですが、音が滑らかで、パンニングがつるっとくるくるした感じ…、そのように言葉で表現するのがとても困難な、不思議な感触に私は包まれました。
全部で5曲収録されていますが、曲毎にその感触というか、脳で感じる触覚のようなものが変化していて、気持ち良いです。
JINMOの言葉にあるように、音に合わせて鼓膜が痙攣ダンスをして、いつのまにか脳も痙攣ダンスをしていたって言うか、とにかく不思議なステレオ音場(空間)処理の心地良さ。
是非、ヘッドホンでの御愛聴をお薦めします。

また、本作で聴かれる美しい歪みは、独創的な高品質アナログ・エフェクターを制作する“Ideyha”とJINMOとの共同開発による”巍峨(GIGA)”によるものです。
これはディストーションとパラメトリック・イコライザーが搭載されたペダルです。
演奏録音後に施された特殊なステレオ音場(空間)処理以外には、編集もオーバーダビングもおこなわれていません。
演奏直前の緊張感も良い感じなので、敢えて第1音を弾き始める直前の数秒間も収録されています。

本作に寄せるJINMOの言葉です。

・・・

デレク・ベイリーは確かに器楽的衝動について意識的であった。
しかし、クルト・ザックスとそれを認めるベイリーに共通している、「器楽と異なり、声楽には脳の中枢の制御にあると思われるところの、敏活な運動は無い」という認識に対しては、違和感を禁じ得ない。

器楽の拠り所である楽器そのものが無かった原始時代においても、今日にも続く“異言現象”のように、ザックスの用語を借用するならば、いわば“舌の敏活な運動”はあり得ただろうと私は考える。

異言(Glossolalia)は“speaking in tongues”とも呼称されるように、あたかも「自意識を有した舌が敏活な発声をおこなう」ように感じられる不随意な衝動、或る種の“痙攣”だ。

私はこの衝動的現象は演奏家に特有ではなく、声楽家、また音楽家の領域に留まらず舞踊・舞踏家、いや芸術家の領域も超え、宗教者や幼児や酩酊者にも顕われる普遍的なものであると考える。

Nano Picking(極微細高速演奏)に於いても、nanoZen(極微細爆墨)に於いても、畢竟、その美はブルトンの言うように、まさしく”痙攣的”なのである。

そもそも弦の振動自体、弦の痙攣ではないか。
それを受ける鼓膜もまた、その時、痙攣のダンスに興じるのだ。
我等の鼓膜は痙攣の渦中に美を受信している。

そして、痙攣する美と交感する時、私のテストステロンは怒濤の奔流として駆け巡る。
(JINMO)

・・・

ギター愛好家の方々にはもちろん、現代音楽、先端的テクノ、実験音楽をお好きな方々にもお薦めのアルバムです。

前作”Zoku Yuuwaku”から僅かに22日。
通算第149作めのソロ・アルバム(Avant-attaqueからの第130作め)、リリースです。
もちろんCDと同等の、Apple ロスレス 44.1kHz 16bitの高音質です。