Ultra Dream (ver.1.0)

1. Ultra Dream 01 (13:01)
2. Ultra Dream 02 (13:01)
3. Ultra Dream 03 (13:01)
4. Ultra Dream 04 (13:01)
5. Ultra Dream 05 (13:01)



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『フロイトは超自我に夢を加工・検閲する機能があるとしたが、私には更にその機能が及ばぬ、超自我の機能の上位次元事象とでもいうべき超夢があるように思えてならない。凡そ個の経験や推測の時空的範囲を逸脱した、まるで種の歴史的蓄積である時間的、種の全体的波及である空間的な支配を実現する超越的意識のようなものが見る夢…。まるで我等が地衣類の群体であるかのような思いを確認させる夢。それに私は“Ultra Dream - 超夢”と名付けた。滅び去った恐竜達が、今もなお見続けている夢である。』(JINMO)

近年のJINMOの作風としては、ギター独奏、ギター・オーケストレーション、コンピュータ・オーケストレーションのいずれにしても、芸術表現におけるグロッソラリアの実現に端を発したプレクティクス系のものが多いのですが、本作は珍しく、音価の長い、いわゆる白玉系の弦楽オーケストラ音を絡み合わせていくような、内省的ともいえるゆったりと、深く、重く心身に浸透していく作風です。
それら白玉系は中低域に配置され、その上でソティエ(速い跳弓)による高域が跳び回り、そして低音部には秒間74回の心臓拍動音が通奏されます。

総ての音は縦横無尽のパンニングをおこなうのですが、心臓拍動音のみは中央定位を崩しません。
それ故に力強い肉体性を感じさせ、一方、弦楽オーケストラ音が自由な魂の跳躍・飛翔の象徴であるように感じられていきます。
聴き進む内に、私には通常の夢とは違い、何か肉体と精神が分離していくような、幽体離脱のような印象を持ちました。
収録された5曲はいずれも異なる音律で作られているので、強い関連性は感じつつも、違う駅に辿り着いた時に感じる違う景色、音、風のように、場面転換していて心地良いと感じました。
夢の中で、突然場面が変わるあの感覚です。

ジャケットは丹野徹氏が撮影した恐竜化石と女性の美しい写真です。
本作のイメージにぴったりだと思います。

現代音楽、先端的テクノ、実験音楽をお好きな方々にとてもお薦めのアルバムです。

前作”Impromptu 130913”から僅かに8日。
通算第166作めのソロ・アルバム(Avant-attaqueからの第147作め)、リリースです。
もちろんCDと同等の、Apple ロスレス 44.1kHz 16bitの高音質です。

(Avant-attaque:HARI)